AMANO TAMOTSU KENCHIKU
西丸尾の家
冬には氷点下になる日も少なくない、標高およそ800メートルのまち・富士吉田市。
そんな寒さの厳しいこの地で、天野保建築が手がけたのは、三世代・6人のご家族が一緒に暮らす、高性能な二世帯住宅です。
「ただいま」と玄関の扉を開けた瞬間、ふわっとやさしく包み込まれるようなあたたかさ。そこには、見た目の美しさだけでなく、毎日の暮らしの心地よさや、家族みんなの健康への思いやりが込められています。
そしてこの住まいは、天野保建築にとって「高性能住宅」の第一号となる、記念すべき一棟。安心して長く暮らせる家を目指して、一つひとつ丁寧に、丹念に仕上げました。
仕 様
- エリア
- 山梨県
- 設計
- 天野保建築
- 竣工年
- 2017年9月
- 建物概要
- 延床面積 184.24㎡(55.73坪)
UA値 0.28W/㎡K
C値 0.1c㎡/㎡
耐震等級3(許容応力度計算)
換気システム/全館空調
屋根/ガルバリウム鋼板
外壁/STO塗り壁
内壁/ケイソウくん、ケイソウくんクロス
床/無垢フローリング ナラ
窓/木製サッシ(トリプルガラス)
玄関ドア/木製玄関ドア
ファサード・玄関

白い塗り壁と木のコントラストが美しい、やさしい表情のファサード。
玄関を少し奥まった位置にすることで、雨の日も安心。
さらに通りからの視線をやわらげ、落ち着きのある“おうちの顔”を演出します。

手仕事ならではのあたたかみと、清らかな白さが印象的なStoの塗り壁。
赤いポストが引き立つのも、背景にこのやさしい白があるからこそ。

奥まった玄関は、道路からの視線が届きにくくなり、中の様子が見えにくくなるため、防犯効果も◎。家族の出入りも外から目立ちにくく、プライバシーが保たれます。
リビング

対面キッチンの正面には、視線がまっすぐ抜ける大きな木製サッシの窓をプランニング。
空間に自然な広がりと、心地よい開放感をもたらしています。
やわらかな光を添える照明の配置も、家族が集まるリビングにぴったり。
自然素材と調和する、あたたかく、やさしい空間ができあがりました。

キッチンを中心に、リビング・ダイニング・和室へとゆるやかにつながる間取り。
視線も動線もスムーズで、家族それぞれが違うことをしていても、どこかでつながっていられる安心感があります。使い勝手と心地よさを両立した、家族みんなにやさしい住まいです。

天井のスギ板と畳の組み合わせが、どこか懐かしく、やさしい空気感をつくります。
来客時の応接スペースとしてはもちろん、お昼寝やお子さまの遊び場としてもぴったり。
神棚や仏間としても使える設えで、家族の暮らしにそっと寄り添う、静かで落ち着いた和の空間です。
キッチン

木のコントラストが美しい、手づくり感あふれる対面キッチン。
リビングやダイニングとの一体感を大切にしながら、手元がほどよく隠れる安心の設計です。「見せる収納」と「隠す収納」をバランスよく取り入れ、生活感をさりげなくカバーしました。

キッチンの奥には、アーチ状のやわらかなR壁を抜けてパントリーと家事室へ。
収納力たっぷりの可動棚と、ちょっと腰掛けて作業もできるカウンターを備えた家事スペースは、家事の合間のほっと一息にもぴったり。
R壁のやわらかな曲線が、空間にやさしさと奥行きを添えています。
リビングから広がるウッドデッキ

大開口の木製サッシからつながるウッドデッキは、屋内と屋外をゆるやかに繋ぐ、もうひとつのくつろぎの場。
晴れた日には椅子を出してお茶を楽しんだり、お子さまが外で遊んだり。
リビングの延長として、暮らしの幅を広げてくれる心地よい場所です。
西丸尾の家
西丸尾の家