AMANO TAMOTSU KENCHIKU
忍野の家
寒さの厳しい富士吉田の地で、「家のどこにいても、快適に過ごせるようにしたい」。
そんなご家族のあたたかな想いから、この住まいづくりははじまりました。
親世帯・子世帯、それぞれの暮らしを大切にできるよう込められたご要望は、プライバシーをしっかり守れる“完全分離型の二世帯住宅”。さらに「玄関は引き戸で」「南西の窓から富士山が見えるように」といった、暮らしへの具体的なこだわりも丁寧に伺いました。
設計では、それまで気づかれなかった富士山の景色を「日々の眺め」として楽しめるよう窓の配置を工夫し、全館空調にはダクト式システムを採用。空間ごとの温度差を抑えながら、家中どこにいても一年を通して快適に過ごせる、心地よい住まいが完成しました。
仕 様
- エリア
- 山梨県
- 設計
- 天野保建築
- 竣工年
- 2020年1月
- 建物概要
- 延床面積 170.58㎡(51.59坪)
UA値 0/25W/㎡K
C値 0.3c㎡/㎡
耐震等級3(許容応力度計算)
換気システム/全館空調
屋根/ガルバリウム鋼板
外壁/杉板 ファサード・ラタン エコウッドトリートメント塗装
内壁/ケイソウくんクロス
床/ケイソウくんクロス
窓/木製サッシ(トリプルガラス)
玄関ドア/木製玄関ドア
外観・ファサード

杉板の外壁が自然に溶け込む、落ち着いた佇まいの外観。
家のどこにいても外とのつながりを感じられるよう、窓の配置を丁寧に計画しました。
木の温もりと景色が調和する、心豊かな暮らしの舞台です。

タイル×天然木が織りなす、品のある玄関まわり。
明るめの木目が印象的な引き戸は、やわらかな陽を受けてご家族やゲストをやさしく迎え入れます。

ダークトーンの杉板と大きなシンボルツリーが呼応する、堂々とした佇まい。
縦横のラインが織りなす端正なファサードと、自然がもつ不規則な美しさが絶妙なバランスを生み、四季折々の風景に溶け込むように存在します。
経年変化を楽しめる杉板の外壁は、時とともにこの地に根ざしていく住まいにふさわしい素材です。
リビング

のびやかな勾配天井と無垢の床が心地よい、家族だけのくつろぎ空間。
自然光と木のぬくもりに包まれながら、家族が思い思いに過ごせるセカンドリビングです。隣接する畳スペースともゆるやかにつながり、座っても寝転んでも気持ちのいい、贅沢な時間が流れます。

整えられた和のラインと、窓に切り取られた風景。
畳の縁、天井板、建具のラインが美しく揃い、空間に凛とした静けさを与えます。
正面に設けたピクチャーウインドウからは、まるで一枚の絵のように季節の風景が広がり、和室全体が自然とつながる設えに。
忍野の家
忍野の家